日本農業新聞平成23年6月21日号
福岡県うきは市浮羽町の農事組合法人『大春の里」は今年から、汎用コンバインの燃料に、地元の廃食用油を原料にしたバイオディーゼル燃料(BDF)を使い始めた。
既に栽培したネタネを搾油して菜種油の販売と、搾りかすを使った肥料の製造・販売もしており、BDFとして再利用することで、循環型農業の取り組みがさらに進むことになる。
栽培したナタネの全利用を目指す同法人は、加工開発と販売に続き、廃食油燃料導入に向け、地元のリサイクル会社と提携。今年度から廃食用油を原料に精製された、軽油代替燃料のBDFを使った作業が可能になった。
資源循環の実現によるごみ減量と二酸化炭素排出防止に加えて、リサイクル会社との提携により燃料価格を抑えることができる。また、数年後には免税軽油廃止が予定されていることから代替燃料としてコスト面の軽減にもつながる。
同法人は、ナタネ5ヘクタールの他、麦、水稲、大豆の栽培と受託を行う。今後BDFの使用を拡大していく方針で、荻一美組合長は「無駄を出さないことが当初からの目標。これからもステップアップしていきたい」と話す。
日本農業新聞平成23年6月10日号
福岡県のうきは市浮羽町の農事組合法人「大春の里」は、菜種食用油の加工販売と、副産物などを利用した資源循環型農業の取り組みで、農水省による「六次産業化法」に基づく事業計画の認定を受けた。
同法人は、農林水産物などの生産および加工、または販売を行う事業活動に関する計画「総合事業化計画」として県内では他の7事業とともに認定された。認定事業は試作開発や販路開拓などの計画実施で特例や補助、アドバイスを受けることができる。
どう法人は営農組合として発足し5年目。平成22年度に法人化し、30〜70代までに28人で構成する。ムギ23ヘクタール、ナタネ5ヘクタール、水稲8ヘクタール、豆3ヘクタールを栽培し受託も行う。
ナタネ収穫量は年々増産し、今年は10トンを予定する。
組合発足2年目から、生産したナタネで菜種油を搾油し商品化しており、添加物を使わない安全・安心にこだわった搾油法で付加価値を高めている。搾油した搾りかすも肥料にして活用し販売も行うなど、地場産資源を生かした環境型農業の取り組みが評価された。